金曜シネマ倶楽部(桜はまだか、それなら映画でも観るか)

「女王陛下のお気に入り」(公開中)


英国がEU離脱問題で混乱している

というわけでこの映画、スペイン継承戦争下のイングランド王国の混乱(?)を描いた物語

イングランド王国のアン女王は、幼なじみの側近サラだけが「お気に入り」であった
サラの従妹を名乗って召使に採用されたアビゲイルは、自分で摘んできた薬草を通風で苦しむアン女王の足に塗って癒やし、侍女に昇格する
上流階級から没落した過去を持つアビゲイルは、惨めな今の地位から抜け出すために、さらに女王の「お気に入り」になろうとし、サラと衝突するようになる
そして・・・

イングランドとフランスの戦いの最中に繰り広げられる、女と女のおぞましい戦い
なるほど!これは戦争映画か(違うよ)
エロティックでグロテスクなシーン、暗いストーリー、独特なカメラワークなど、かなりはっきりと好き嫌いが分かれる映画ではないだろうか
そういう意味では前回ご紹介した万人受けする「グリーンブック」とは対照的な作品と言えよう
エマストーンのまさに体当たりの演技は一見の価値ありかもしれないが
個人的には「お気に入り」にはならなかった作品であった

ところで、EU離脱問題だが、いっそのこと離脱するかどうかもう一度国民投票して民意を問うてみたらどう?
大阪都構想もやるらしいから
(どちらも同じくらい実現困難な感じ)

2019年3月15日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(週末は花粉を避けて映画館へ)

「グリーンブック」(公開中)


スピルバーグがアカデミー賞からNetflix作品を締め出すためのルールを提案しているらしい

というわけで、Netflix映画「ローマ」を抑えてアカデミー作品賞を受賞したこの作品

舞台は黒人差別が横行していた1960年代のアメリカ
腕っぷしが強く口八丁で世の中を渡ってきたトニーも、黒人差別をする人間であった
そんな彼だったが、用心棒をしていたクラブが改装休業となり、家族の生活のために、黒人ピアニストのドンのコンサートツアーの運転手を引き受けることになる
しかもツアーの行き先は、特に黒人差別が酷いアメリカ南部だった
黒人が泊まることが出来る宿泊施設を紹介するガイド本「グリーンブック」を手に、二人の旅が始まる・・・

人種差別という重いテーマを扱いながら、絶妙なコメディに仕上がっている
がさつなように見えて実は繊細な心を持つトニーを、ヴィゴモーテンセンが魅力的に演じている
「白人目線の映画だ」という批判もあるようだが、観た人が「面白かった!」と思えばそれで良いと思う
映画ってそういうものだから(個人的見解)
偏見なしに素直に観るべき映画である

おすすめ!

ところで、「映画はなるべく映画館で観る」という主義なので、スピルバーグが言いたいことも分からないでもない
しかし、一歩間違うと彼らが大切にしている「アカデミー賞の権威」そのものを失いかねないような気もする
「日本レコード大賞」みたいに

2019年3月8日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(週末、「山田うどん」に行きたくなる1本)

「翔んで埼玉」(公開中)


当事務所の所在地は埼玉、埼玉弁護士会所属で弁護士の出身地も埼玉

というわけでこの映画、なぜか埼玉である

埼玉のFM局であるNACK5(ナックファイブ)から埼玉の都市伝説が流れ始める
その昔、埼玉県民は東京都民から迫害されていたという
通行手形がなければ東京に行けず、手形を持たずに都内に入った者は「埼玉狩り」に遭い、逆らう者は「埼玉銃」で容赦なく撃たれ、埼玉に強制送還された
この通行手形制度の撤廃を求めて、ついに埼玉県民が立ち上がる・・・

徹底的に埼玉県民をおちょくり、埼玉のネガティブな面を「これでもか!」と暴露しまくる
しかも、「こんなの埼玉県民にしか分からないだろう」というご当地ネタ、自虐ネタのオンパレード
(自分の出身校も紹介されたが、麻生久美子氏に「だからどうした!」と一蹴されちゃった)
「よくこんな映画を作ったなぁ」と呆れるが、自分が観た回は満員札止めだったからびっくり仰天!
現役の埼玉県民と埼玉出身者がこぞって観に来ているに違いない
いやいや、千葉県関係者も相当数含まれているだろう
怖いもの見たさの東京都民もいるはずだ
ただ、関東圏以外ではかなり厳しい気がする
しかし、それでも良いのだと思わせる潔さがこの映画にはある
久しぶりに現れた底抜けにくだらない映画だ

おすすめ!
(映画館は「シネマサンシャイン池袋」が良いかもね)

そうそう、弁護士・裁判官・検察官になるための修習をする司法研修所は埼玉県和光市にあるので「日本埼玉化計画」は日本の法曹界ではほぼ実現されているという事実を補足しておこう
(映画を観ていない人には「何のこっちゃ?」情報だな)

2019年3月1日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(週末、刑事コロンボ「構想の死角」が観たくなる1本)

「天才作家の妻 40年目の真実」(公開中)


統計を偽っちゃいけないよ、厚労省さん

というわけでこの作品、世間を偽り続けた(?)夫婦の物語


作家として成功しているジョゼフのもとに「今年のノーベル文学賞はあなたに決まりました」という知らせが届く
授賞式のためストックホルムを訪れるジョゼフと妻のジョーン、そして父に劣等感を抱いている若手作家の息子デビット
授賞式の準備が進む中、ジョゼフに対してこれまで以上にいらつく妻ジョーン
実は、二人には世間に知られていない隠し事があったのだ
果たしてその隠し事とは?
そして天才作家の妻として生きてきた妻ジョーンの選択は・・・


映画の発想は面白いのだが、ストーリーは不完全燃焼な感じ
繰り返される老夫婦の諍いのシーンにうんざりする人もいるかもしれない
観客が感情移入するのは、ジョゼフの方か?ジョーンの方か?
「どっちもどっちだな」
というあたりが多数派のような気もする

原題は「The Wife」なのだが、邦題が大袈裟すぎるのも難点だ
(題名で内容を説明しようとし過ぎるんだよねぇ、最近の邦題は)
ともあれ、なんとなく肩すかしにあったような、そんな映画である


えつ?ロシアとの交渉も肩すかしだって?
そだねー

2019年2月8日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(R15は仕方ないかな)

「大人の恋は、まわり道」(公開中)


かつては年末になると「男はつらいよ」が映画館にかかっていたなぁ

というわけで、せわしない年の瀬にぴったりの肩の凝らないコメディ映画のご紹介

フランクは見た目はハンサムだが偏屈で「運命の出会いなんてない!」と思い込んでいる恋愛恐怖症
一方、リンジーも美人だが失恋から長年立ち直れず「彼氏いない歴」を更新中
空港で出会った二人はお互いに嫌悪感を抱きののしり合いが始まるが、同じリゾート結婚式に招待されていることを知る
反発しあう二人だが、思いがけない展開がおとずれて・・・

良い意味で「お約束どおり」のパターンが心地よい
ほとんどフランクとリンジーの会話でストーリーは進み、実は、主役のキアヌリーブスとウィノナライダーの二人だけしかセリフがないという面白い趣向になっている
「なかなか恋愛に踏み出せない」とか「恋愛は面倒だ」などという人が増えているそうだが、そういう人たちにぜひおすすめしたい映画である
(「やっぱり恋愛は面倒だ!」と思っちゃうかもしれないけど)

ところで、リンジーがフランクを「窃盗!」とののしるシーンがあるのだが、ブラックジョークにもほどがある
笑っちゃったけど
(意味が分からなければスルーして)

2018年12月14日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(週末、「クィーン」のCDを聴きまくることになる1本)

「ボヘミアン・ラプソディ」(公開中)


EU離脱問題で、イギリスがドタバタしている
(おっ、前回「ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲」とまったく同じ書き出しだ)

というわけで、1971年にロンドンで結成された伝説のバンド「クィーン」の

ヴォーカル、フレディマーキュリーの半生を描いた作品
複雑な生い立ちと容姿に対するコンプレックスに悩んでいた青年フレディ
彼は、ヴォーカルが抜けたばかりのバンドに新メンバーとして加入し、圧倒的なパフォーマンスを見せる
そして、バンド「クィーン」は革新的な楽曲を次々と繰り出し、その人気は頂点に達する
しかし、華やかな成功の裏で、フレディは孤独と戦い続けていた
そして・・・

1991年に45歳の若さで亡くなったフレディマーキュリー
彼の成功と苦悩を名曲の誕生秘話を織り交ぜながら見事に描いている
フレディやバンドメンバーを演じる俳優も
「よく見つけてきたなぁ」
と感心するほど本人とそっくりである
そして劇中流れる「クィーン」の楽曲の素晴らしさは言わずもがな
ラストのライブシーンは圧巻の出来だ
ぜひ映画館で観るべき映画である

おすすめ!

ところで、困ったことに
「We Will Rock You」の
あの「ドンドンパッ ドンドンパッ」が頭から離れないわさ

2018年12月7日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(週末、「オースティン・パワーズ」の方を観たくなる1本)

「ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲」(公開中)

 

EU離脱問題で、イギリスがドタバタしている

 

というわけで、こちらはイギリス情報部員の珍騒動を描くドタバタ映画

 

MI7がサイバー攻撃に遭い、現役情報部員のデータが流出
この事態を収拾すべく、引退した情報部員のジョニーイングリッシュが現役に復帰する
時代遅れのアナログ情報部員は、果たしてイギリスを救えるのか?

 

2003年公開の第1作からなんと15年ぶりのまさかの続編である
Mr.ビーンでお馴染みのローワンアトキンソンが、相も変わらず「あの調子」を繰り広げる
本家「007シリーズ」のパロディは前作同様に満載で、今回は「ピンクパンサーシリーズ」のクルーゾー警部のオマージュも盛り込まれている
古くさいとかマンネリだとかを通り越して、もはや伝統芸能の域か?
なんとなく、「昔のドリフのコントを今見ても笑えない」のと同じ哀愁が漂う(あくまでも個人の感想)
ただ、映画館内に一人だけげらげら大笑いしている人がいたのが救いか?
(客は自分を含めて5人だったから、20%の爆笑率だ!)
かなりはっきりと好き嫌いが分かれる映画
お暇ならどうぞ!

ローワンアトキンソン、ごめん

2018年11月16日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(週末、ちくわカレーが食べたくなる1本)

「海街diary」(2015年)

 

先月、親戚の結婚式で久しぶりに鎌倉へ行ってきた

 

というわけで、鎌倉が舞台のこの作品

 

幸、佳乃、千佳の三姉妹は、15年前に家を出た父が死亡したという知らせを受ける
父の葬儀で三姉妹は、腹違いの妹すずと出会う
父を失い義母と暮らさなければならなくなったすずに、幸は「鎌倉で一緒に暮らさない?」と声をかける
そして三姉妹に異母妹のすずを加えた4人の生活が始まる・・・

 

長女に綾瀬はるか、次女に長澤まさみ、三女に夏帆、そして四女に広瀬すずという主演陣に、樹木希林、大竹しのぶ、堤真一、風吹ジュン、リリーフランキーといった豪華な俳優陣が脇を固める豪華な作りとなっている
ざっくり言うと家族の物語なのだが、四姉妹以外の登場人物にもそれぞれエピソードが用意されていて、物語に奥行きを感じることができる
四姉妹が暮らす日本家屋も風情があり、「鎌倉は良いなぁ」と思うこと必至!
なんとなく夏の終わりに観たい映画である

 

おすすめ!

 

ところで、本作品の監督である是枝裕和氏が作った「ゴーイング マイ ホーム」(主演:阿部寛、山口智子)というテレビドラマが好きだった
しかし、同氏の最新作「万引き家族」は観ていない
仕事柄、万引きの映画はちょっと・・・

2018年9月14日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(週末、「11」が観たくなるかもしれない)

「オーシャンズ8」(公開中)

 

「オーシャンズ11」から始まった「オーシャンズ」シリーズ
最新作の本作は、女性版の「オーシャンズ」

 

ダニーオーシャンの妹デビーは、「普通の生活を送りたい」と刑務官に言い、刑務所を仮釈放になる
しかし彼女は、長い刑務所生活の間に大胆な犯罪を企んでいたのだった
デビーは、計画を実行するため、かつての犯罪仲間やその道のプロフェッショナルたちを集める
そして、ついに計画決行の日を迎え・・・

 

シリーズのテイストを忠実に守っていて
良い意味で「オーシャンズ」的な予定調和を楽しむことができる
裏を返せば、過去の「オーシャンズ」シリーズが苦手の人は、この作品も楽しめないということ(かな?)
まぁお気楽に楽しむ映画といえよう
あまり期待しないで、ね

 

ところで、主演のサンドラブロックによると
本作がヒットしたら続編(オーシャンズ9?)もありうるとのこと
あまり期待しないけど、ね

2018年9月7日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(ABBAは良いよね!)

「マンマ・ミーア!ヒア・ウィー・ゴー」(公開中)

 

あの伝説のグループABBA(アバ)が、35年ぶりに4人で新曲をレコーディングしたらしい

 

というわけで、そのABBAの曲をもとに作られたミュージカル「マンマ・ミーア!」の映画版の続編である

 

母ドナの夢だったホテルを完成させた娘のソフィ
そのホテルのオープニング直前にソフィは自分が妊娠していることに気づく
「母のドナは、どのようにして自分を産んだのか?」
ソフィは、自分を一人で育てたドナと自分を重ね合わせる
そして、懐かしい人々と再会したソフィが、子の洗礼式で出会ったのは・・・

 

前作から10年ぶりの続編である
前作は既に大人気だった舞台を映画化したものだったが、本作は、完全オリジナル映画である

 

若き日のドナが、どのようにしてサム・ハリー・ビルの3人と出会い、どのようにして一人でソフィを育てるようになったのかという過去の物語と、現在とが交互に描かれるという「ゴッドファーザーPart2」方式でストーリーは進む
この若き日のドナを演じるリリージェームズが素晴らしい!
みずみずしく、躍動感があり、行動的で、まさしく「ダンシング・クィーン」である!
他の登場人物の若き日を演じる役者たちも、「よく見つけてきたなぁ」と感心するほどぴったりで違和感がない

 

ABBAの楽曲の素晴らしさを再認識させ、「最高にハッピーなミュージカル!」に偽りなしのご機嫌な映画である

 

おすすめ!

 

久しぶりに舞台版が観たくなった
劇団四季さん、よろしくお願いします!

 

 

2018年8月31日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita