「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」(公開中)
「ダヴィンチ・コード」シリーズの第4作「インフェルノ」出版の際、翻訳者たちは地下室に2ヶ月間閉じ込められていたという
というわけで、その出版秘話に基づいて作られた作品
世界的ベストセラー「デダリュス」の完結編を世界同時発売するために
9カ国の翻訳者が集められた
小説の外部流出を防ぐため、すべての通信機器を没収されて地下室に1か月間完全隔離された状態で翻訳作業を強いられる9人
毎日20ページずつしか渡されない原作
しかし、出版社のオーナーの携帯電話に「冒頭10ページを流出させた。金を払わなければ次の100ページも公開する。」という脅迫メールが届く
果たして犯人は誰なのか?そして、犯人はどうやって原作を手に入れたのか?
ミステリー映画の紹介はネタバレしてはいけないので難しい
本格的な謎解きミステリーであり、「完全隔離」という点では
アガサクリスティの「そして誰もいなくなった」を想起させる
プロットがきちんと組み立てられていて、本格ミステリーとしての完成度は高い
ただ、謎解きが主題なので登場人物の描き方が単調になってしまうことは否めない
いやいやそこまでは求め過ぎか?
ミステリー好きの人にはおすすめである
ところで、半年くらい前から今野敏の警察小説にはまっている
本格ミステリーも良いが、人間ドラマ主体のミステリーの方が心地良く感じるようになったのは年齢のせいかな?