金曜シネマ倶楽部(週末、海辺のホテルに行きたくなる1本)

「世界の涯ての鼓動」(公開中)


某国の大統領が「グリーンランドを購入する」と言っているとか

というわけでこの映画、グリーンランドの深海と南ソマリア間の長距離恋愛(?)の物語

海辺のホテルで出会ったダニーとジェームズはたちまち恋に落ちる
やがて休暇を終えた二人は、お互いに離れがたいという強い感情を抱きつつ、ダニーは生命の起源を調査するため潜水艇で深海へ、ジェームズはテロを防ぐために南ソマリアへと向かう
しかし二人を待っていた運命は・・・

前半は、二人が出会い恋に落ちるまでを圧倒的な映像美でテンポ良く描いていて心地よい
ところが、後半は一転してサスペンス色が強くなり、ラストシーンに至っては
「ムムム・・・?」
と、なんともすっきりしない気持ちになるかもしれない
しかしそこがこの監督の描きたいところなのだろう
監督は「ベルリン・天使の唄」で有名な巨匠ヴィム・ヴェンダース
夏休みで子供向けの映画があふれるなか
数少ない大人の映画と言えよう

ところで、グリーンランド(デンマーク領)の売却を同国首相に拒否されて
「それならデンマーク訪問を取りやめる」
というのは大人の対応と言えるのかなぁ?

2019年8月23日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(この時期観ておきたい1本)

「アルキメデスの大戦」(公開中)


日本が戦争に敗れて74年

というわけで、巨大戦艦の建造をめぐる大日本帝国海軍省内の攻防を描いたこの作品

昭和8年、世界から孤立しつつある日本は、軍拡路線を歩んでいた
海軍省では、世界最大の戦艦を建造しようとする者らと航空母艦を建造すべきとする者らとが対立
これからの戦争は航空機が主流となると考える山本五十六らのグループは、戦艦建造に反対すべく、ひとりの天才数学者に望みを託す
そして・・・

派手な戦闘シーンや悲惨な戦禍を描く「いわゆる戦争映画」と思って「その手の映画は苦手だから」と敬遠しているとしたら、それは大間違いである
確かに、一部そういうシーンはある
しかし、本作がエンターテインメント映画、すなわち娯楽作品であることは実際に観れば分かるだろう
出演者のひとりである笑福亭鶴瓶ではないが
「観ないという選択肢はないやろ」
である

おすすめ!

お盆の時期は、どのような形であれ先の大戦のことに思いを馳せることが大事なのではないかなと単純に思う

2019年8月16日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(残暑お見舞い申し上げます)

「クレオパトラ」(1963年)


世間はお盆休みか
というわけで、長期休暇でもなければ観る気もおきない4時間超の大作である

紀元前48年、カエサルは政敵ポンペイウスを追ってエジプトのアレクサンドリアへ
そこでクレオパトラと出会う
エジプトとローマの利害が一致し、カエサルとクレオパトラも親密な関係になる
しかし、ローマに戻ったカエサルは志半ばで狂剣に倒れる
その後、カエサルの後継者であるオクタヴィアヌスとの対立が目立つようになった軍人アントニウスは、活路を見いだすためクレオパトラと接触
やがて二人は恋に落ち・・・

重機のない時代に作られたピラミッドや日本なら奈良の大仏などを見ると
単純に「すごい!」と思う
規模も年月の差もまったく違うが、
「CGのない時代によくもこれだけの映画を作ったなあ」
と感嘆すること必至の映画である
古代ローマ時代の町並み、ローマ軍の戦闘シーン、衣装など
「どれだけお金をかけたんだ?」
と心配になるほどである
実際、製作した20世紀フォックスは、この映画で破産しそうになり、
翌年公開の「サウンド・オブ・ミュージック」の大ヒットで息を吹き返したのだという

一見の価値ありの映画ではあるが
冷房を効かせた涼しい部屋で、冷たいビールでも飲みながら、ぼーっと見るのがいいかもね
寝落ちに注意が必要だけど

2019年8月9日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(「ウエスト・サイド物語」のサントラを聴きたくなる1本)

「バイス」(公開中)


自分が推した候補者が知事選に落選して、日本の副首相は権威の失墜が懸念されているらしい

というわけでこの映画、米国の副大統領の半生を描く社会派エンターテインメント

酒癖が悪い青年チェイニーは、妻にはっぱをかけられ、政治家への道を歩み出す
魑魅魍魎が跋扈する政界を生き抜き、ついにチェイニーはジョージWブッシュの副大統領の座に就く
そして2001年9月11日、アメリカを震撼させた同時多発テロ事件が発生する
絶大な権限を行使するチェイニー
果たしてアメリカはどこへ行くのか・・・

内容はシビアなのだが映画の作りは遊び心にあふれていて、個人的にはモンティパイソンな印象を受けた
悪徳政治家と評されることが多いチェイニー氏だが、彼を一方的に非難する作りになっているわけではなく、クリスチャンベイルが複雑な役どころを見事に演じている

まだ記憶に新しいイラン戦争の内幕が赤裸々に語られるが、チェイニー本人が存命なのにもかかわらずこういう映画を作ってしまうところが驚きである


前回紹介した「女王陛下のお気に入り」よりはとっつき易いが、やはり好みが分かれる作品かもしれない
その点はご注意を!

2019年4月19日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(桜はまだか、それなら映画でも観るか)

「女王陛下のお気に入り」(公開中)


英国がEU離脱問題で混乱している

というわけでこの映画、スペイン継承戦争下のイングランド王国の混乱(?)を描いた物語

イングランド王国のアン女王は、幼なじみの側近サラだけが「お気に入り」であった
サラの従妹を名乗って召使に採用されたアビゲイルは、自分で摘んできた薬草を通風で苦しむアン女王の足に塗って癒やし、侍女に昇格する
上流階級から没落した過去を持つアビゲイルは、惨めな今の地位から抜け出すために、さらに女王の「お気に入り」になろうとし、サラと衝突するようになる
そして・・・

イングランドとフランスの戦いの最中に繰り広げられる、女と女のおぞましい戦い
なるほど!これは戦争映画か(違うよ)
エロティックでグロテスクなシーン、暗いストーリー、独特なカメラワークなど、かなりはっきりと好き嫌いが分かれる映画ではないだろうか
そういう意味では前回ご紹介した万人受けする「グリーンブック」とは対照的な作品と言えよう
エマストーンのまさに体当たりの演技は一見の価値ありかもしれないが
個人的には「お気に入り」にはならなかった作品であった

ところで、EU離脱問題だが、いっそのこと離脱するかどうかもう一度国民投票して民意を問うてみたらどう?
大阪都構想もやるらしいから
(どちらも同じくらい実現困難な感じ)

2019年3月15日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(週末は花粉を避けて映画館へ)

「グリーンブック」(公開中)


スピルバーグがアカデミー賞からNetflix作品を締め出すためのルールを提案しているらしい

というわけで、Netflix映画「ローマ」を抑えてアカデミー作品賞を受賞したこの作品

舞台は黒人差別が横行していた1960年代のアメリカ
腕っぷしが強く口八丁で世の中を渡ってきたトニーも、黒人差別をする人間であった
そんな彼だったが、用心棒をしていたクラブが改装休業となり、家族の生活のために、黒人ピアニストのドンのコンサートツアーの運転手を引き受けることになる
しかもツアーの行き先は、特に黒人差別が酷いアメリカ南部だった
黒人が泊まることが出来る宿泊施設を紹介するガイド本「グリーンブック」を手に、二人の旅が始まる・・・

人種差別という重いテーマを扱いながら、絶妙なコメディに仕上がっている
がさつなように見えて実は繊細な心を持つトニーを、ヴィゴモーテンセンが魅力的に演じている
「白人目線の映画だ」という批判もあるようだが、観た人が「面白かった!」と思えばそれで良いと思う
映画ってそういうものだから(個人的見解)
偏見なしに素直に観るべき映画である

おすすめ!

ところで、「映画はなるべく映画館で観る」という主義なので、スピルバーグが言いたいことも分からないでもない
しかし、一歩間違うと彼らが大切にしている「アカデミー賞の権威」そのものを失いかねないような気もする
「日本レコード大賞」みたいに

2019年3月8日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(週末、「山田うどん」に行きたくなる1本)

「翔んで埼玉」(公開中)


当事務所の所在地は埼玉、埼玉弁護士会所属で弁護士の出身地も埼玉

というわけでこの映画、なぜか埼玉である

埼玉のFM局であるNACK5(ナックファイブ)から埼玉の都市伝説が流れ始める
その昔、埼玉県民は東京都民から迫害されていたという
通行手形がなければ東京に行けず、手形を持たずに都内に入った者は「埼玉狩り」に遭い、逆らう者は「埼玉銃」で容赦なく撃たれ、埼玉に強制送還された
この通行手形制度の撤廃を求めて、ついに埼玉県民が立ち上がる・・・

徹底的に埼玉県民をおちょくり、埼玉のネガティブな面を「これでもか!」と暴露しまくる
しかも、「こんなの埼玉県民にしか分からないだろう」というご当地ネタ、自虐ネタのオンパレード
(自分の出身校も紹介されたが、麻生久美子氏に「だからどうした!」と一蹴されちゃった)
「よくこんな映画を作ったなぁ」と呆れるが、自分が観た回は満員札止めだったからびっくり仰天!
現役の埼玉県民と埼玉出身者がこぞって観に来ているに違いない
いやいや、千葉県関係者も相当数含まれているだろう
怖いもの見たさの東京都民もいるはずだ
ただ、関東圏以外ではかなり厳しい気がする
しかし、それでも良いのだと思わせる潔さがこの映画にはある
久しぶりに現れた底抜けにくだらない映画だ

おすすめ!
(映画館は「シネマサンシャイン池袋」が良いかもね)

そうそう、弁護士・裁判官・検察官になるための修習をする司法研修所は埼玉県和光市にあるので「日本埼玉化計画」は日本の法曹界ではほぼ実現されているという事実を補足しておこう
(映画を観ていない人には「何のこっちゃ?」情報だな)

2019年3月1日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(週末、刑事コロンボ「構想の死角」が観たくなる1本)

「天才作家の妻 40年目の真実」(公開中)


統計を偽っちゃいけないよ、厚労省さん

というわけでこの作品、世間を偽り続けた(?)夫婦の物語


作家として成功しているジョゼフのもとに「今年のノーベル文学賞はあなたに決まりました」という知らせが届く
授賞式のためストックホルムを訪れるジョゼフと妻のジョーン、そして父に劣等感を抱いている若手作家の息子デビット
授賞式の準備が進む中、ジョゼフに対してこれまで以上にいらつく妻ジョーン
実は、二人には世間に知られていない隠し事があったのだ
果たしてその隠し事とは?
そして天才作家の妻として生きてきた妻ジョーンの選択は・・・


映画の発想は面白いのだが、ストーリーは不完全燃焼な感じ
繰り返される老夫婦の諍いのシーンにうんざりする人もいるかもしれない
観客が感情移入するのは、ジョゼフの方か?ジョーンの方か?
「どっちもどっちだな」
というあたりが多数派のような気もする

原題は「The Wife」なのだが、邦題が大袈裟すぎるのも難点だ
(題名で内容を説明しようとし過ぎるんだよねぇ、最近の邦題は)
ともあれ、なんとなく肩すかしにあったような、そんな映画である


えつ?ロシアとの交渉も肩すかしだって?
そだねー

2019年2月8日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(R15は仕方ないかな)

「大人の恋は、まわり道」(公開中)


かつては年末になると「男はつらいよ」が映画館にかかっていたなぁ

というわけで、せわしない年の瀬にぴったりの肩の凝らないコメディ映画のご紹介

フランクは見た目はハンサムだが偏屈で「運命の出会いなんてない!」と思い込んでいる恋愛恐怖症
一方、リンジーも美人だが失恋から長年立ち直れず「彼氏いない歴」を更新中
空港で出会った二人はお互いに嫌悪感を抱きののしり合いが始まるが、同じリゾート結婚式に招待されていることを知る
反発しあう二人だが、思いがけない展開がおとずれて・・・

良い意味で「お約束どおり」のパターンが心地よい
ほとんどフランクとリンジーの会話でストーリーは進み、実は、主役のキアヌリーブスとウィノナライダーの二人だけしかセリフがないという面白い趣向になっている
「なかなか恋愛に踏み出せない」とか「恋愛は面倒だ」などという人が増えているそうだが、そういう人たちにぜひおすすめしたい映画である
(「やっぱり恋愛は面倒だ!」と思っちゃうかもしれないけど)

ところで、リンジーがフランクを「窃盗!」とののしるシーンがあるのだが、ブラックジョークにもほどがある
笑っちゃったけど
(意味が分からなければスルーして)

2018年12月14日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(週末、「クィーン」のCDを聴きまくることになる1本)

「ボヘミアン・ラプソディ」(公開中)


EU離脱問題で、イギリスがドタバタしている
(おっ、前回「ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲」とまったく同じ書き出しだ)

というわけで、1971年にロンドンで結成された伝説のバンド「クィーン」の

ヴォーカル、フレディマーキュリーの半生を描いた作品
複雑な生い立ちと容姿に対するコンプレックスに悩んでいた青年フレディ
彼は、ヴォーカルが抜けたばかりのバンドに新メンバーとして加入し、圧倒的なパフォーマンスを見せる
そして、バンド「クィーン」は革新的な楽曲を次々と繰り出し、その人気は頂点に達する
しかし、華やかな成功の裏で、フレディは孤独と戦い続けていた
そして・・・

1991年に45歳の若さで亡くなったフレディマーキュリー
彼の成功と苦悩を名曲の誕生秘話を織り交ぜながら見事に描いている
フレディやバンドメンバーを演じる俳優も
「よく見つけてきたなぁ」
と感心するほど本人とそっくりである
そして劇中流れる「クィーン」の楽曲の素晴らしさは言わずもがな
ラストのライブシーンは圧巻の出来だ
ぜひ映画館で観るべき映画である

おすすめ!

ところで、困ったことに
「We Will Rock You」の
あの「ドンドンパッ ドンドンパッ」が頭から離れないわさ

2018年12月7日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita