金曜シネマ倶楽部(デヴィッドリンチ、ごめん)

「デューン 砂の惑星PART2」(公開中)

   
先週の予告通り、後編の本作を映画館で観てきた

アラキスの原住民フレメンと接触したポールは、伝説の救世主と信じられ、ハルコンネン家と皇帝への復讐の攻撃を開始する・・・

予想通り、映画館で観た方が迫力満点の映像を満喫できる
ただ、やはり3時間の上映時間は長い
前編の第1作と合わせると6時間35分なのだが、先週も紹介した1984年公開のデヴィッドリンチ監督版「デューン」は前後編分けずにたったの2時間17分の作品だったのだから、ある意味「すごい!」と言えよう(さっぱり面白くなかったのだが・・・)
ストーリーは映画よりもテレビドラマ向きと言えるが、映像はやはり映画館の大スクリーンに向いていると断言できる
映画館で観ないともったいない作品である
(デヴィッドリンチ版の方じゃないよ)
だから、映画館で観ることをおすすめ!
(興味があったら、デヴィッドリンチ版も観てみてね)

2024年4月5日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(砂虫は怖いよ)

「ⅮUNE/デューン 砂の惑星」(2021年)


今日から明日にかけて広い範囲で黄砂の飛来があるらしい

というわけで、砂と言えばこの作品

惑星カラダンの領主のアトレイデス公爵は、皇帝の命令で砂漠の惑星アラキスの管理を引き受ける
しかしこの命令は皇帝らによって仕組まれた罠だった
公爵の息子ポールは、母ジェシカとともに危機を脱してアラキスの原住民フレメンと接触する・・・

1965年に発表された原作は、スターウォーズにも影響を与えたというSF小説で、過去に何度も映像化されており、本作はその最新作である
実は、デヴィッドリンチ監督の1984年版を、当時映画館で観たことがあるが
「ストーリーが頭に入らなくて、さっぱり面白くない」
と思ったものだ
しかし、本作は2部構成の前編で、比較的丁寧に物語が進むので、ストーリーも理解しやすい
そして、映像が迫力満点である
本作を観た後にデヴィッドリンチ版を40年ぶりに見直してみたら、映像の古臭さに驚いたが、本作では説明がないところを描いていて、両方を観るとよりストーリーを理解できる
現在、後編の「デューン砂の惑星PART2」が公開中なので、ぜひ映画館で観ようと思っている
この2作目、結構評判が良いんだよね
ところで、今日プロ野球が開幕するが、スワローズの前評判が良くないんだよね

頑張れ!スワローズ!

2024年3月29日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(意外と重い作品)

「ある男」(2022年)


1975年に起きた企業爆破事件で指名手配されて、死亡直前に名乗り出た容疑者を、昨日、東京地検は不起訴にした
同容疑者は、偽名を使って長期間生活していたらしい

というわけで、なりすましが物語の鍵になっているこの作品

離婚して実家に戻っていた里枝は、大祐と名乗る男と知り合い再婚するが、夫は事故死してしまう
その1年後、疎遠だった大祐の兄が法要に訪れ、遺影に写っている男は自分の弟の大祐ではないと言い出す
里枝は、離婚の時に世話になった弁護士の城戸に、死んだ夫の身元調査を依頼する
果たして、里枝の再婚相手の素性とは・・・

「まったく別の人間として生きていく」ということについて、いろいろと考えさせられる内容になっている
里枝役の安藤サクラも良いが、城戸役の妻夫木聡が良い
平野敬一郎の原作も読んでみたくなった
おすすめである

ところで、かの容疑者の潜伏人生とはどのようなものだったのだろうか

2024年3月22日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(マッドでクレイジーな1本)

「哀れなるものたち」(公開中)

今年のアカデミー賞授賞式の日が近づいてきた

というわけで、作品賞をはじめ11部門にノミネートされているこの作品

自殺を図ったが奇跡的に蘇生されたベラ
彼女は、未知の世界を知るための冒険に旅立つ・・・

R18指定されている理由は、すぐに分かるだろう
ベラ役のエマストーンは、本作の体当たり演技で主演女優賞にノミネートされている
ストーリーは万人受けするとは言い難く、映画館でなければ途中で見るのをやめてしまう人も少なくないのでないか
衝撃的な問題作なので、覚悟してみるべし
(そういう意味で、作品賞受賞は無いかな)

ところで、この国の哀れなるものたちは、裏金を秘書のせいにする政治家たちか?
それとも彼らを選んだ有権者たちか?
(いや、国民全員かも)

2024年2月2日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(夫の正体はイカデビル!)

「二十四の瞳」(1954年)


今年は「島めぐりの旅だ!」と思い立ち、先日、小豆島に行ってきた

というわけで、小豆島を舞台にしたこの作品

昭和3年、岬の分教場に新米の女の先生が赴任する
1年生の12人の児童が先生を見る瞳は、かがやいていた
海の色も山の姿も昨日に続く今日であった
しかし、そこに住む人々の生活は大きな歴史の流れに押し流されていった・・・

おそらく小学校高学年のときに初めて見たのだと思うが
どこでどういう経緯で見たのかまったく覚えていない
ただ、見たことだけを覚えている
そして、悲しい映画だったという記憶が残っていた
今回ひさしぶりに見直してみて、やはり悲しかった
戦後9年で作られた映画なので反戦色が強いが、「防衛費倍増」とか「敵基地攻撃能力」などと不穏な方向に向かいつつあるこの国の将来を考えるうえで、ぜひ見ておきたい映画である
特に若い人におすすめだ

ところで、小豆島は良いところだった
小豆島の島宿真里と海音真里、こちらもおすすめである
(写真は本作ロケ地の岬の分教場と「二十四の瞳映画村」にあるリメイク版の撮影セット)

2024年1月26日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(最後に墨を磨ったのはいつだろう?)

「線は、僕を描く」(2022年)


映画館で見逃してしまった作品を配信で観ることができる便利な世の中

というわけで、つい最近配信で観たこの映画

大学生の青山霜介はアルバイト先で1枚の水墨画に出会い、なぜか水墨画の巨匠である篠田湖山から「私の弟子になってみない?」と声をかけられる
そして、水墨画を学ぶうちに霜介が変わり始める・・・

水墨画の世界は知らないことばかりだったので、とても興味深かった
主役の若い二人も良いが
湖山役の三浦友和や弟子役の江口洋介が安定感抜群の演技で脇を固める
映画「ちはやふる」の製作チームが再結集した作品ということらしい
「ちはやふる」は未見なので「そちらも観てみようかな」と思わせる、そんな佳作であった

おすすめ!

ところで、落語のほうの「千早振る」は馬鹿馬鹿しい噺なのだが
瀧川鯉昇のそれは群を抜いてくだらないので、そちらもおすすめ

2023年11月24日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(テーマ曲が頭から離れない・・・)

「ゴジラ-1.0」(公開中)


「ゴジラ マイナス ワン」と読むらしい

というわけで、何がマイナスワンなのか、観に行ってきた

1945年の終戦間近、特攻隊機が降り立った島にゴジラが現れる
終戦後、今度は本土に上陸したゴジラが、復興し始めた街に壊滅的な被害を及ぼす
果たして人々はゴジラを倒すことができるのか・・・

「マイナスワン」は、戦争によって焦土と化して無(ゼロ)になった日本が、ゴジラの出現によって負(マイナス)へという意味らしい
(1954年の第1作「ゴジラ」よりも前のゴジラという意味もあるのかもしれない)
本作のゴジラは、とにかく破壊力がすごい!
そして、怖い!
「ゴジラのテーマ」も大迫力である!
それだけで観る価値ありだが、ストーリーも悪くない
是非とも映画館の大スクリーンで観るべき作品である

おすすめ!

ところで松井秀喜氏が「ゴジラ」ってどう?
佐々木主浩氏の「大魔神」はいいとして
高橋由伸氏が「ウルフ」ってどうよ?
(マニアック過ぎるのでマイナスワンポイント)

2023年11月10日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(無性におせんべいが食べたくなる1本)

「こんにちは、母さん」(公開中)


山田洋次監督の90作目だという

というわけで、久しぶりに山田組の最新作を映画館で観ることにした

仕事と私生活に悩みを抱える昭夫は、久しぶりに東京下町の実家を訪れる
疲れ切っている自分とは異なり、生き生きと生活をしている母
そんな母が恋愛をしていると知って、さらに戸惑う昭夫・・・

笑いあり、涙あり、これぞ松竹映画というような作品である
親子を演じる吉永小百合と大泉洋が絶妙である
宮藤官九郎、寺尾聰、枝元萌、YOUといった脇役陣も良い
ストーリーに新鮮味はないが、心地よい時間を過ごすことができる映画だ
ただし、50代以降の人にとってはというところか

その年代の人にはおすすめ!

久しぶりに実家に顔を出してみようかな

2023年9月8日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(ぜひ映画館で!)

「ミッション:インポッシブル/デッドレコニングPART ONE」(公開中)

暑い・・・
というわけで、難しいことを考えたくないときに観るべきこの作品


イーサンに新たなミッションが下される
それは全人類を脅かす新兵器を敵が手中にするまでに見つけ出すこと
そしてIMFの超人的な活躍が始まる・・・

本作はシリーズ第7作目で2部構成の前編だそうだ
今回もアクション満載だが、目新しさはあまり無い
しかし、迫力は満点なので、ぜひ映画館の大きなスクリーンで観るべきである
何も考えずにね
上映時間が長いと感じるかもしれないが、映画館の中は涼しいから暑さしのぎだと思えば苦にならない(かもしれない)
とにかく何も考えずに楽しむ映画である
トムクルーズの映画はそういうものなのだから
トム、ごめん

ところで、現実社会の方がミッションインポッシブルだらけな気がする
マイナカードの保険証一体化とか、大阪万博とか、政府の少子化対策とか・・・

2023年7月28日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(第1作を見返したくなる1本)

「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」(公開中)


実は大学時代に考古学研究会という学術サークルに所属していた
(発掘も多少したことはあるが、サークル仲間と麻雀ばかりしていた)
というわけで、考古学者で冒険家のインディ・ジョーンズの最後の活躍を描くこの作品

老境にさしかかり家族も失って孤独なジョーンズ博士
ある日、親友の娘で自分が名付け親のヘレナが彼の前に現れる
彼女は神秘の力を持つというダイヤル「アンティキティラ」を探しているという
そして、同じくナチスの残党もそれを探していた・・・

シリーズ5作目であり最終作である(らしい)
前作にも感じた延々と続く退屈なカーチェイスや格闘シーン、強引なストーリー展開、長すぎる上映時間などケチをつけたくなるところ満載だが、ラストシーンで不覚にもうるっときてしまった
何はともあれ、インディ・ジョーンズシリーズの最後を映画館で見届けたという達成感を強く感じることができるラストシーンであり、それだけで見た甲斐があった(と思うことにする)

だからお願い、次回作とか作らないでね、ルーカス&スピルバーグ
そしてハリソンフォード、お疲れ様でした

2023年7月6日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita