金曜シネマ倶楽部(近未来映画の傑作!)

「トータル・リコール」(1990年)


コリンファレル主演のリメイク版が公開された2012年に一度紹介したことがあるこの作品
現在、30周年記念4Kデジタルリマスター版が公開中ということで、もう一度ご紹介

肉体労働者のクエイドは、意味不明の火星の夢を見る
クエイドは火星へ行くことを妻に提案するが、断られる
ある日、夢を売る「リコール社」の宣伝を見たクエイドは、
「火星でのスパイ活動」という夢を購入するが・・・

どこまでが夢なのか、どこからが夢なのか
近未来SF映画としては、一級の娯楽作品といえる
主演のシュワルツェネッガーはこの近未来SF映画に数多く出演しているが、
トップクラスの出来だ
妻役のシャロンストーンが怪しくて良い
(彼女は、どの作品でも怪しいのだけれど)
本作監督のポールバーホーベンもかなりクセのある映画を撮る人だが
この作品は、文句なしに面白い

おすすめ!

しかし、30年前の作品まで「デジタルリマスター版」とはいえ公開しなければならない状況とは、コロナ禍恐るべしである
(と言いつつ、このブログも8年前の焼き増しなんだけど・・・)

2020年12月4日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(週末、ホテルニューオータニに潜入したくなる1本)

「007は二度死ぬ」(1967年)


先日、ショーンコネリー氏が亡くなった

というわけでこの作品、彼の出世作007シリーズの第5作で日本を舞台にした異色作

アメリカの有人ロケットが謎の飛行物体に捉えられるという事件が発生
米ソの対立が激化する中、ジェームズボンドは謎の飛行物体の発射地点と思われる日本へ潜入し諜報活動を始める・・・

日本人が見ると「そんなバカな」とツッコミたくなる部分が満載で、それだけで十分楽しめる
シリーズで初めてブロフェルドが顔出ししたり、ボンドが結婚したり、トヨタ2000GTのオープンカーが登場するなど、見どころも満載である
シリーズの中での評価はあまり高くないが、個人的には嫌いではない作品である
今週末、久しぶりに観直してみようと思う

ショーンコネリー氏のご冥福をお祈りします

2020年11月13日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(週末、ドライブしたくなる1本)

「運び屋」(2018年)


街中でUber Eats を頻繁に見かけるようになった

というわけで、こちらはクリントイーストウッドが運びます!

家族とも疎遠な老人アール・ストーンは、自宅を差押えられ、残ったのはおんぼろのトラック1台だけ
ある日、彼に交通違反歴が無いことに目を付けたある組織から
「車を走らせるだけで金をやる」という仕事を引き受ける
しかしそれはコカインの運び屋という危険な仕事だった・・・

クリントイーストウッドはアウトローがよく似合うが
老境に入ってもまだその役どころを演じることができるということが素晴らしい
しかも何の不自然さもなく、嫌みもなく、観客の共感を得られるとは!
希有な役者である
御年90とのことだが、あとどれくらい彼の映画を観ることができるだろうか
いつまでも元気に活躍して欲しいものである

ところで、逆に
「もういい加減、後進に道を譲れば?」
と思ってしまうことが多いんだよね、政治のニュースを見てるとね

2020年10月2日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(週末、飲みに行きたくなる1本)

「居酒屋ゆうれい」(1994年)


東京都は、23区内の飲食店の営業時間短縮要請を解除するらしい

というわけで、こちらは横浜の居酒屋が舞台のコメディ映画

居酒屋「かずさ屋」の主人の荘太郎は、恋女房のしず子を病気で亡くす
ある日、後添いをもらわないかという話がとんとん拍子に進み、里子と再婚する
しかし、「新しい女と一緒になることはない」という約束を破ったと言って前妻のしず子がゆうれいとなって荘太郎と里子の前に現れる
そして荘太郎と前妻、後妻の不可思議な三角関係が始まる・・・

バクチ好きの常連客、謎の新客、そして訳ありの後妻など怪しげな登場人物の顛末が多分に御都合主義な感は否めないが、そこそこ楽しめる
萩原健一はかなりクセのある役者だが、まるで落語のようなストーリーの本作には見事にマッチしていると言えよう
早く新型コロナウイルスが終息してまたこういう居酒屋で飲みたいものだと痛感すること必至の作品である

ところで、本作が映画デビュー作である西島秀俊が、元刑事の使用人という役を演じる「メゾン・ド・ポリス」というテレビドラマを先日huluで観たのだが、なかなか面白かったので、こちらをおすすめ!

2020年9月11日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(原作の小説も読みたくなる1本)

「博士の愛した数式」(2006年)


お盆の季節は「男はつらいよ」シリーズが観たくなる

というわけで、同作で満男を演じた吉岡秀隆とリリーを演じた浅岡ルリ子が共演しているこの映画

シングルマザーの杏子は、家政婦として働いている
ある日、彼女は、なかなか家政婦が長続きしないという家に派遣されることになる
そこは、交通事故の後遺症で記憶が80分しかもたない数学者の「博士」が住む家だった
始めは戸惑った杏子だったが、数学を通じた博士の無垢で誠実な心遣いに触れ、息子とともに博士と心を通わせるようになる・・・

数字の持つ神秘や美しさを通して人と人の交流を描く手法は圧巻である
コロナ感染者に対する不当な中傷や自粛警察など嫌なニュースを耳にすることが多いが、そんなときに観るとホッとすることができる、そんな作品である

おすすめ!

ところで、博士役の寺尾聰も「男はつらいよ 寅次郎と殿様」にチョイ役で出ていたなぁ
「寅次郎と殿様」もシリーズの中では結構お気に入りなんだよね

2020年8月28日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(この時期には)

「日本のいちばん長い日」(2015年)


今年は第二次世界大戦後75年

というわけで、75年前の8月15日の玉音放送までの顛末を描くこの作品

太平洋戦争の末期、連合国は日本に対してポツダム宣言受諾を要求する
受諾か、それとも本土決戦か
鈴木貫太郎首相は陸軍大臣や海軍大臣ら閣僚と閣議を続けるが議論は平行線のまま
そこへ広島、長崎に相次いで原爆が投下される
ついにこの国は決断する・・・

説明がほとんどなく、観客には不親切な映画と言えよう
ただ、「よく分からない」ということが、当時の国民の状況を表しているのかもしれない
そして、よく分からなければこの映画を機にそれぞれ調べれば良いのだろう
戦争を知らない世代の務めとして

大河ドラマ「麒麟がくる」で怪演を披露した本木雅弘だが、この映画では天皇という難しい役を見事に演じている
鈴木貫太郎首相役の山崎努も良い

猛暑が続いているが、この時期はどのような形であれ先の大戦のことに思いを馳せることが大事なのではないかなと単純に思う

2020年8月21日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(とろろご飯が食べたくなる1本)

「映画 深夜食堂」(2015年)


例のウイルスは新宿の夜の街が危ないらしい

というわけで、新宿の路地裏が舞台のこの作品

「めしや」の営業時間は深夜0時から朝の7時くらいまで
メニューは豚汁定食だけで、あとは頼まれればできるものなら何でも作るよというのがマスターの営業方針
客が来るかというと、それが結構来るらしい・・・

テレビシリーズの映画化なのだが、登場人物の設定も踏襲されているので、先にテレビシリーズを観た方がより楽しめるだろう
と言うより、テレビシリーズは必見である
(前回ご紹介した「映画 鈴木先生」と同じだ!)
とにかく、小林薫演じるマスターが格好良いのだ!
映画版に限らず、テレビシリーズも含めて
人情ものあり、シリアスものあり、コメディありと、どの回も楽しめるのだが
特に個人的にお気に入りなのは
「再び赤いウインナー」
「煮こごり」
「きんぴらごぼう」
あたりかな

ぜひ、おすすめである!

ところで、東京の感染者数が増えている
「めしや」に通う常連客たちは大丈夫かなぁ?

2020年7月3日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(学園ドラマの秀作!)

「映画 鈴木先生」(2013年)


新型コロナウイルスの影響で撮影ができず、ついに大河ドラマも放送休止

というわけで、「麒麟がくる」で主役の明智光秀を演じる長谷川博己が主演したこの映画

中学教師の鈴木は、独自の教育理論を持っていた
彼は、その理論実践のために小川蘇美という女生徒を自分のクラスに入れたが、彼女の魅力にやられてしまい、教師らしからぬ妄想に悩まされることになる
多感な年頃の中学生を相手に、奮闘する鈴木先生
そんなある日、学校で大変な事件が発生する・・・

テレビシリーズの映画化なのだが、登場人物の設定も踏襲されているので、先にテレビシリーズを観た方がより楽しめるだろう
と言うより、テレビシリーズは必見である
鈴木先生を演じる長谷川博巳も良いが
個人的には富田靖子の狂気ぶりがぴかいちだった
(「ぴかいち」って死語?)
そして、何とも妖しい小川蘇美役を土屋太鳳が見事に演じている

このブログは映画を紹介することになっているのだが
実は、映画版よりもテレビシリーズの方が格段に面白いので
「麒麟がくる」まで、そちらを堪能してみてはいかが?
まったく違うジャンルだけどね

2020年6月12日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(ヒルはこわいよ)

「WOOD JOB!(ウッジョブ)~神去なあなあ日常~」(2014年)


今年の大河ドラマ「麒麟がくる」を毎週楽しんでいる
というわけでこの映画、「麒麟がくる」で信長を演じる染谷将太が主演の青春コメディである

大学受験に失敗した勇気は、不純(?)な動機から林業の研修に参加する
携帯電話も繋がらない山奥の村で、厳しく危険な作業に悪戦苦闘する勇気
しかし、変わり者だらけの村人たちとの交流や、山での神秘的な体験をするうちに
彼は林業の魅力に気付いていく
そして、1年間の研修が終了する日がやってきた・・・

林業というあまり馴染みのない職業にスポットを当てたこの作品だが、その作業や風習などが非常に興味深く描かれている
出演陣も豪華だ
「麒麟がくる」では信長に敵わなかった斎藤義龍を演じた伊藤英明だが、本作では圧倒的に優位な立場で信長に、いや、染谷に絡んでくる
主人公が憧れる女性を演じる長澤まさみも良い
そして柄本明、光石研、マキタスポーツといった名脇役たちが作品を支える
肩の凝らないエンターテインメント映画の秀作と言えよう

おすすめ!

ところで、「麒麟がくる」は新型コロナウイルスの影響で撮影ができず、明後日7日の放送をもって一時休止するらしい
「なななあ日常」が早く戻ってくることを強く願う

2020年6月5日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(これぞ映画!)

「ゴッドファーザーPARTⅢ」(1990年)


ステイホームで、連休中にDVDで全3作品を一気に観た「ゴッドファーザー」
(NHK BSプレミアムでも放送していたらしい)

というわけで、シリーズ完結編のこの作品

ファミリーのドンであるマイケルは、バチカンの加護を受けてすべての事業の合法化を画策する
しかし、彼を取り巻く環境はそれを許さなかった
ファミリーを守るための戦いのはずが、逆に家族を失っていくという矛盾
そして、世代交代の訪れと共に、最大の悲劇がマイケルを襲う・・・

第1作が1972年、第2作が1974年の公開なので映画館では観ていないが
この第3作は公開時に映画館で観ることができた
大学生だった当時は
「コッポラ監督は、なぜこんな余計なものをわざわざ作ったのか?」
と思ったものだ
しかし、30年ぶりに観直してみると(しかも3作続けて)
「このシリーズには、やはりPARTⅢが必要だった」
と思わされる
しかし、そういう意見は少数派かもしれない
果たして、あなたはどっち派?
なお、3作続けて観た感想だからね
(およそ9時間かかるから、「そんなことやらない!」が多数派だと思う)

2020年5月8日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita