金曜シネマ倶楽部(スーツを新調したくなる1本)

「テーラー 人生の仕立て屋」(公開中)


久しぶりに映画館に行ってきた

というわけで、先週公開のこの映画

アテネで高級スーツを仕立てる店を営んできたニコスだったが、不況により銀行に店を差し押さえられ、屋台を使った移動式のスーツの仕立て屋を始める
しかし、路上では高級スーツはまったく売れず、窮地のニコスはウェディングドレスの注文を受ける
親しい隣人に女性服の仕立てを教えてもらいながらウェディングドレスを仕上げたニコスは、徐々に注文を増やしていき、屋台の移動式仕立て屋は成功するかに見えたが・・・

ほとんど観たことがないギリシャ映画だが、ハリウッドとは違うストーリー展開が目新しく興味深い
ただ公式ホームページの「オーダーメイドのウェディングドレスが幸せを運ぶ、極上の感動作」という宣伝文句は、ちょっと盛りすぎかな
ギリシアでは、ウェディングドレスは盛りすぎくらいが受けるらしいけど
新しいドレス、もとい、新しいスーツを仕立てで作りたくなった
そしてギリシャにも行ってみたくなる、そんな映画である

自由に旅行に行ける日が早く来ますように!

2021年9月10日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(たまには辛口の映画を)

「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」(2016年)


カブールで、米軍がIS組織にドローン攻撃をしたらしい

というわけで、この映画をご紹介

英米は、ナイロビで無人偵察機を使ってテロリストを捕獲する合同軍事作戦を遂行していたが、偶然、自爆テロの決行準備をしている現場を確認する
甚大なテロ被害を未然に防ぐため、無人攻撃機による爆撃に作戦を変更してミサイルの発射準備に入るが、目標近くに一人の少女が現れて路上でパンを売り始める
少女を犠牲にしてでも爆撃してテロを防止すべきと主張する軍人
民間人の巻き添え犠牲を出したくない政治家
実際にミサイルの発射ボタンを押すことになる兵士
結局、彼らがとった行動とは?
そして、その結末は?

戦地から遠く離れた場所で、無人偵察機からの映像を見て、無人攻撃機によって爆撃をするという現代の戦争の実体を如実に描く意欲作である
実際にこのような作戦が世界の各地で行われているのだと思うと、ただただ恐ろしい限りである
先日の米軍のISへの報復攻撃でも、民間人が犠牲になっているという
観終わったあと、いろいろと考えさせられる映画である
体調の良いときに観るべし
そして、いろいろと考えるべし

2021年9月3日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(暑いときに観たい映画)

「サイコ2」(1983年)


暑い!

というわけで、暑いときには怖い映画で肝試し

ベイツモーテルでの惨劇から22年が経過し
社会復帰したノーマン
同じ職場で働くメアリーは、ノーマンに興味を持ち彼に近づく
そして・・・

アルフレッドヒッチコック監督の傑作「サイコ」(1960年)の続編である
23年ぶりの続編なのだが、映画の中も同じように時間が流れていて、
ノーマン役も同じアンソニーパーキンスが演じている
前作もそうだったが、本作のクライマックスの彼が怖いのなんのって!
メアリー役のメグティリーもキュートで良い
傑作だった前作の続編として、非常に良く出来ている
必ず前作を見てから本作を観るべし
そして、しばし暑さを忘れよう!

この時期に、おすすめ!

さて、まだまだ暑い日が続きますが
みなさま、くれぐれも体調管理にご注意ください

2021年8月6日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(海に行きたくなる1本)

「真夏の方程式」(2013年)


真夏である

というわけで、時節柄この作品をご紹介

物理学者の湯川学は、海底資源開発の説明会に出席するため、玻璃ヶ浦の緑岩荘という旅館に滞在する
そこで彼は、経営者夫婦のおいの恭平という少年と知り合う
そして次の日、別の宿泊客の変死体が近くの海岸で発見されて・・・

テレビドラマ「ガリレオ」シリーズの劇場版の第2弾である
第1弾の「容疑者Xの献身」では、事件を解明したことを後悔する湯川だったが
本作ではその教訓が活かされた(?)結末となっている
湯川と少年の交流が爽やかに描かれていて、夏の海というロケーションも気持ち良く、第1弾とは違って観終わった後の印象も良い
海に遊びに行きたくなること必至の作品である
この時期に、おすすめ!

さて、先日,この「ガリレオ」シリーズの劇場版第3弾の製作が発表された
公開は2022年とのこと
今から楽しみである

2021年7月30日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(「金閣寺」は実家だったかな?)

「三島由紀夫 vs 東大全共闘 50年目の真実」(2020年)


大河ドラマ「晴天を衝け」では、尊皇攘夷も下火になってきた

というわけでこの作品、戦後の攘夷運動のような学生運動も下火になってきた頃に行われたある討論会を描くドキュメンタリーである

東大安田講堂事件の4ヶ月後の1969年5月、東大全共闘が主催する討論会に保守言論人の三島由紀夫が招かれた
左翼学生が詰めかけた東大駒場キャンパス900号室で、伝説の討論会が始まる・・・

作り物ではないからか、スクリーン(画面?)を通しても当時の会場の熱が伝わって来て、多少暑苦しくなるかもしれない
しかし、左派、右派という思想とは関係なく、「言葉の力」を信じている人々の真剣な言葉による応酬に心を動かされる
50年後の今、我々は「言葉の力」を信じているだろうか?
三島はこの討論会の翌年に自死する
もし今、彼が生きていたら、この世界をどう見るだろう?
(自衛隊にワクチンを打たせていると知ったら・・・)
週末、ひさしぶりに三島文学を読んでみようかな
読みにくくて、すぐ挫折しちゃうんだけどね

2021年6月11日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(週末、ぜひ吹き替え版で)

「007サンダーボール作戦」(1965年)


若山弦蔵氏が亡くなった

というわけで、若山氏の吹き替え以外にはありえないコネリーボンドのこの作品

NATO空軍から原爆が盗まれた
英国諜報部員のジェームズボンドは、原爆奪還のため、バハマへ飛ぶ・・・

若山弦蔵氏と言えば、ショーンコネリーの吹き替えである
ラジオ好きであれば、「バックグラウンド・ミュージック」や「東京ダイヤル954」が浮かんでくるかもしれない
スパイ大作戦のピーターグレイブスの吹き替えも外せない
渋い低音の魅力!
そして、軽妙な語り口
ご冥福をお祈りしつつ
今週末は、コネリーボンド(当然、吹き替え版!)を存分に堪能するとしよう!

2021年6月4日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(大学生の時に観た1本)

「バトルランナー」(1987年)


人目を忍んでひっそりと聖火リレーが強行されているらしい

というわけでこの映画、シュワちゃんが走ります!

舞台は30年後の近未来
厳しい統制社会の中で、正義の戦士が凶悪犯のランナーを追い詰めるというバラエティ番組「ランニング・マン」が民衆の熱狂的な支持を得ていた
無実の罪で強制労働所に収容されたベンリチャーズは、仲間と一緒に脱走するが、当局に囚われて「ランニング・マン」のランナーとして強制的に出場させられる・・・

近未来と言いつつも舞台設定は2017年なので、今では既に過去の物語
ただし、テレビが偽情報を流して民衆に信じ込ませる世界という設定は、決して絵空事ではないことを現代を生きる我々は実感しているのではないか
そういう意味では、公開当時のように単純に娯楽映画として楽しむということにはなかなかならないかもしれない作品と言える
そんな小難しいことを言っても、とどのつまりいわゆるB級映画なんだけどね
ステイホームの暇つぶしにどうぞ!
(シュワちゃん、ごめん)

2021年5月7日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(ノマドとは?)

「ノマドランド」(公開中)


ノマドワーカーという言葉があるらしい
オフィスではなく、喫茶店などWi-Fi環境のある場所でノートパソコンやタブレット端末を使って仕事をする人のことだという

というわけで、こちらはそれとはまったく違う車上生活者を写実的に描くロードムービー

企業の経営破綻により住居も住み慣れた町も失ったファーン
彼女は、キャンピングカーで季節労働の現場を渡り歩くという生き方を選択する
亡き夫の思い出とともに・・・

ノマドとは遊牧民という意味らしい
本作では実在のノマドが出演しており、物語というよりもドキュメンタリー色が強い
「幸福とは?」「老いとは?」「自由とは?」
などの問題を問いかけているのかもしれないが、そうではないのかもしれない
何をどのように感じるかは観る者の自由ということか
そういうことが苦手な人(どちらかと言えば、自分も苦手な方だが)には、ひょっとしたら退屈かもしれない
まあ、「百聞は一見に如かず」という無責任な結論にしておこう

ところで、WOWOWで「川のほとりで」というドラマが始まった
本作とは似て非なるものだが、ハウスレスに対するとらえ方の違いが興味深い
面白いかどうかは別として
(ベンガル、ごめん)

2021年4月9日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(久しぶりの映画館)

「騙し絵の牙」(公開中)


緊急事態宣言が解除された


というわけで、久しぶりに映画館で観てきた映画のご紹介


出版不況にあえぐ大手出版社の薫風社
その社長の急死により、社内の権力争いが先鋭化する
そして、経営陣、編集者、作家らの生き残りをかけた騙し合いの戦いが始まる・・・


肩の凝らない娯楽映画である
出演者もいつもの人たちといった感じで、良い意味で安心して観ることができる
(悪い意味で「また、この役者か!」というようなベタなキャスティングなのだが)
ただ、雑誌の新編集長役は、原作者が大泉洋氏が演じると決めて書いたということのようだ
(そういう手法を「あてがき」というらしい)
原作の小説を読んでみようかな
図書館で借りて
えっ?出版不況の一因はそこ?

2021年4月2日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(週末、じっくり観たい映画)

「マザーレス・ブルックリン」(2019年)


メーガン妃の王室への発言が物議を醸しているらしい

というわけで、こちらは人種差別が当たり前だった1950年代のニューヨークが舞台のサスペンス映画

恩人を殺された私立探偵のライオネル
彼は障害を抱えながらも抜群の記憶力を駆使し、わずかな手がかりをたどって恩人が殺された事件の真相に迫っていく
そして・・・

トゥレット症候群を抱える探偵という難しい役をエドワードノートンが好演している
アレックボールドウィン、ウィレムデフォー、そしてちょい役でブルースウィリスと豪華な俳優陣が物語を支える
登場人物が多いことと時代背景に馴染みがないことから、ぼんやり観ているとストーリーに追いついていけなくなる危険性があるので要注意
時間も長い映画なので、じっくりと腰を落ち着けて観ること
主演のみならず監督、脚本も手がけた奇才エドワードノートンの世界を存分に楽しむべし

ところで、かつては奇才と呼ばれたのかもしれない広告マンが五輪開会式の演出として提案したまったく笑えないダジャレネタには
ピッグりした!
(これも相当酷いぞ)

2021年3月19日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita