金曜シネマ倶楽部(ノマドとは?)

「ノマドランド」(公開中)


ノマドワーカーという言葉があるらしい
オフィスではなく、喫茶店などWi-Fi環境のある場所でノートパソコンやタブレット端末を使って仕事をする人のことだという

というわけで、こちらはそれとはまったく違う車上生活者を写実的に描くロードムービー

企業の経営破綻により住居も住み慣れた町も失ったファーン
彼女は、キャンピングカーで季節労働の現場を渡り歩くという生き方を選択する
亡き夫の思い出とともに・・・

ノマドとは遊牧民という意味らしい
本作では実在のノマドが出演しており、物語というよりもドキュメンタリー色が強い
「幸福とは?」「老いとは?」「自由とは?」
などの問題を問いかけているのかもしれないが、そうではないのかもしれない
何をどのように感じるかは観る者の自由ということか
そういうことが苦手な人(どちらかと言えば、自分も苦手な方だが)には、ひょっとしたら退屈かもしれない
まあ、「百聞は一見に如かず」という無責任な結論にしておこう

ところで、WOWOWで「川のほとりで」というドラマが始まった
本作とは似て非なるものだが、ハウスレスに対するとらえ方の違いが興味深い
面白いかどうかは別として
(ベンガル、ごめん)

2021年4月9日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(久しぶりの映画館)

「騙し絵の牙」(公開中)


緊急事態宣言が解除された


というわけで、久しぶりに映画館で観てきた映画のご紹介


出版不況にあえぐ大手出版社の薫風社
その社長の急死により、社内の権力争いが先鋭化する
そして、経営陣、編集者、作家らの生き残りをかけた騙し合いの戦いが始まる・・・


肩の凝らない娯楽映画である
出演者もいつもの人たちといった感じで、良い意味で安心して観ることができる
(悪い意味で「また、この役者か!」というようなベタなキャスティングなのだが)
ただ、雑誌の新編集長役は、原作者が大泉洋氏が演じると決めて書いたということのようだ
(そういう手法を「あてがき」というらしい)
原作の小説を読んでみようかな
図書館で借りて
えっ?出版不況の一因はそこ?

2021年4月2日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(週末、じっくり観たい映画)

「マザーレス・ブルックリン」(2019年)


メーガン妃の王室への発言が物議を醸しているらしい

というわけで、こちらは人種差別が当たり前だった1950年代のニューヨークが舞台のサスペンス映画

恩人を殺された私立探偵のライオネル
彼は障害を抱えながらも抜群の記憶力を駆使し、わずかな手がかりをたどって恩人が殺された事件の真相に迫っていく
そして・・・

トゥレット症候群を抱える探偵という難しい役をエドワードノートンが好演している
アレックボールドウィン、ウィレムデフォー、そしてちょい役でブルースウィリスと豪華な俳優陣が物語を支える
登場人物が多いことと時代背景に馴染みがないことから、ぼんやり観ているとストーリーに追いついていけなくなる危険性があるので要注意
時間も長い映画なので、じっくりと腰を落ち着けて観ること
主演のみならず監督、脚本も手がけた奇才エドワードノートンの世界を存分に楽しむべし

ところで、かつては奇才と呼ばれたのかもしれない広告マンが五輪開会式の演出として提案したまったく笑えないダジャレネタには
ピッグりした!
(これも相当酷いぞ)

2021年3月19日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(ジョディフォスターもブロンド美人)

「ブレイン・ゲーム」(2015年)


アンソニーホプキンス主演の映画「ファーザー」がゴールデングローブ賞4部門にノミネートされているらしい

というわけで、彼が特殊能力を有する男を演じるサスペンス映画

連続殺人事件を捜査するFBI捜査官のジョーとキャサリンは、予知という特殊な能力を持つジョンに捜査協力を依頼する
当初はジョンの特殊能力に懐疑的なキャサリンだったが、彼の能力によって捜査が進展するにつれ、その考えをあらためる
そして、ある容疑者が浮かび上がる・・・

「予知能力を持つとどうなる?」というのが本作のテーマとなっているが
それを表現する映像が少し面倒くさいと感じるかもしれない(個人的感想)
アンソニーホプキンスは、この手の役をやらせたら右に出る者はいない
久しぶりに「羊たちの沈黙」を観たくなった
キャサリン役のアビーコーニッシュも良い
(ブロンド美人には弱いのだ)
映像はホラー映画なみだが、ラストシーンは少し切なくなるかもしれない
Amazonプライムビデオは本日で配信終了らしいので、観るなら急ぐべし!

ところで、冒頭述べた「ファーザー」でのアンソニーホプキンスは、予知能力ならぬ認知症の役を演じているらしい
日本公開は5月14日とのこと
その頃にはコロナ禍も少しは収まっているだろうか
誰か予知できない?

2021年3月5日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(スポーツ選手の受難)

「見知らぬ乗客」(1951年)


大坂なおみ選手が全豪OPの決勝に進出したという

というわけで、テニス選手がとんでもない事件に巻き込まれるこの作品

テニス選手のガイは、列車の中でブルーノという男から声をかけられる
ブルーノは、ガイがテニス選手であること、妻と離婚したがっていること、上院議員の娘と交際していることを知っていて
「私が君の妻を殺すから、君は私の父を殺してくれ。お互いに殺人の動機がないから捕まることはない。」
と交換殺人をもちかける
ガイはブルーノの話には取り合わなかったが、ブルーノは本当にガイの妻を殺してしまう
そして、「次は君が私の父を殺す番だ」とガイに迫る・・・

ヒッチコック監督が描くサスペンス映画
ガイにつきまとうブルーノが怖いのなんのって
さすがヒッチコック!である
ただヒッチコックお得意の「主人公巻き込まれ型」の作品の中では
ガイはまだマシな方かな
彼の映画では、もっと酷い目にあっているひとがたくさんいるからねぇ

えっ?元スピードスケート・自転車競技選手で、最近、酷い目にあっているひとがいるって?

2021年2月19日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(細かいことは抜きにして観る1本)

「エアフォース・ワン」(1997年)


連邦議会議事堂の襲撃を扇動したとして現職の大統領が弾劾訴追されたという

というわけで、こちらは大統領が体を張ってテロを防ぐというアクション映画

米国大統領のマーシャルは、ロシアから帰国するため大統領専用機エアフォース・ワンに搭乗した
ところが、そこにはテロリストグループも乗り込んでいた
人質奪還のため孤軍奮闘する大統領
その結末は・・・

超人的な活躍を見せる大統領役にハリソンフォード
まさに大向こうから
「いよっ!大統領」
と声がかかりそうな大立ち回りである

以下、ネタバレあり
大統領を救出した軍用機からの通信内容がこの映画のオチであり、
このセリフのためにこの映画を作ったのではないかと思わせるラストシーンになっている

コロナ禍のモヤモヤを吹き飛ばしてくれる(かもしれない)娯楽作品と言えよう

しかし、大統領自身がテロを扇動する時代が来るとはねぇ・・・

2021年1月15日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(週末、のんびり観たい1本)

「恋愛小説家」(1997年)


新年明けましておめでとう!と言いたいところだが、感染拡大が止まらない

というわけで、少しだけ心がホッとするかもしれないこの映画

小説家のメルヴィンは、病的な潔癖症で、道路の継ぎ目を踏まないように歩き、石鹸は一度使ったら捨ててしまう
行きつけのレストランでも、いつも同じ席に座り、持参したプラスチックのナイフとフォークしか使わず、注文もウェイトレスのキャロルにしか頼まない
ある日、隣の部屋に住む同性愛者のサイモンの飼い犬を無理矢理預かることになってから、彼の生活リズムが少しずつ変化していき・・・

強烈な個性のメルヴィン役に、ジャックニコルソン
そしてキャロル役に、ヘレンハント
二人の良いところがピタリとはまったコミカルな大人の恋愛映画である

おすすめ!

ところで、劇中でジャックニコルソンが弾き語り、エンドロールではアートガーファンクルが歌う
「ALWAYS LOOK ON THE BRIGHT SIDE OF LIFE」
という曲が、コロナ禍の今にこれまたピタリとはまる
今年の目標は「常に人生の明るい面を見ろ」にしようかな

2021年1月8日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(願いは「終息」)

「ワンダーウーマン1984」(公開中)


今年はコロナ禍で、このブログも3月以降はほとんど過去の映画の紹介だった

というわけで、今年最後は公開中のこの作品をご紹介

愛する人を失い、長い年月、孤独な生活を送るダイアナ
彼女の願いが叶うとき、それは、彼女の新たな戦いが始まるときだった・・・

シリーズ2作目の今回は1984年が舞台である
第一次世界大戦が舞台だった前作はそこそこ骨太の内容だったが
本作はファンタジー色が強い
現代版「クリスマス・キャロル」といった感じか
(奇しくも今日はクリスマス)
この手の映画にありがちな冗長なバトルシーンには辟易するかもしれない
ある登場人物が、若き日の現アメリカ大統領にしか見えないかもしれない
ケチをつけようと思えばいろいろあるが
まあ過大な期待をせずにストレス発散気分で観るべき映画である
(本作の関係者の方々、ごめん)

さて、2020年のブログはこれでおしまい
2021年が皆様にとって良い年になりますように!

2020年12月25日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(不要不急の1本か)

「新解釈・三國志」(公開中)


日本の戦国時代を描くNHK大河ドラマ「麒麟がくる」は、光秀と義昭の対立が決定的となり、展開が早くなってきた

というわけで、こちらは中国の三国時代を新解釈で描く異色作


漢王朝の末裔の劉備は、勢力を拡大する曹操に対抗するため、諸葛孔明を軍師に迎える
劉備は、打倒曹操で利害が一致した呉の孫権と同盟を結び、かの有名な赤壁の戦いを迎える

あらすじを紹介すると三國志だが、実体は歴史映画ではなく完全なコメディ映画である
究極の悪ふざけ映画と言えるかもしれない
かつてのテレビドラマ「勇者ヨシヒコ」の映画化といった感じか?
そのため「三國志の映画を観よう」と思っている人は間違いなく後悔するので要注意!
好き嫌いがはっきりと分かれる作品なので、覚悟して観ること

ところで、「麒麟がくる」も新解釈っていうことないかなぁ?
山崎の戦いで敗走した光秀は、岡村隆史演じる徳川の忍びに助けられ、関ヶ原の戦いの後に天海として現れて一言つぶやく
「麒麟は家康だったか」と

2020年12月18日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(近未来映画の傑作!)

「トータル・リコール」(1990年)


コリンファレル主演のリメイク版が公開された2012年に一度紹介したことがあるこの作品
現在、30周年記念4Kデジタルリマスター版が公開中ということで、もう一度ご紹介

肉体労働者のクエイドは、意味不明の火星の夢を見る
クエイドは火星へ行くことを妻に提案するが、断られる
ある日、夢を売る「リコール社」の宣伝を見たクエイドは、
「火星でのスパイ活動」という夢を購入するが・・・

どこまでが夢なのか、どこからが夢なのか
近未来SF映画としては、一級の娯楽作品といえる
主演のシュワルツェネッガーはこの近未来SF映画に数多く出演しているが、
トップクラスの出来だ
妻役のシャロンストーンが怪しくて良い
(彼女は、どの作品でも怪しいのだけれど)
本作監督のポールバーホーベンもかなりクセのある映画を撮る人だが
この作品は、文句なしに面白い

おすすめ!

しかし、30年前の作品まで「デジタルリマスター版」とはいえ公開しなければならない状況とは、コロナ禍恐るべしである
(と言いつつ、このブログも8年前の焼き増しなんだけど・・・)

2020年12月4日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita