金曜シネマ倶楽部(正月映画の決定版)

「男はつらいよ お帰り寅さん」(公開中)

長い付き合いなので放っておけないということがままある

(最近、このパターンばっかりだなぁ)

というわけで、「男はつらいよ」の最新作というので観てきた

寅次郎の甥の満男も今や中年の男やもめ

ある日、初恋の相手だった泉と再会する

悩み多き満男は、事あるごとに寅次郎のことを思い出し・・・

1969年に第1作が公開されて50周年で、本作は特別編も含めて50作目の記念作品ということらしい

初めて映画館で観たのは第40作の「寅次郎サラダ記念日」(1988年)で、在学中の母校が舞台の作品だった

それより古い作品はビデオでしか見たことがなかったのだが、今回の新作は過去の名場面が随所に挿入されていて、映画館の大きなスクリーンで若い頃の寅さんを観ることができ、あらためて主演の渥美清氏が稀代の喜劇役者だったことを痛感させられた

その渥美氏が亡くなって自然消滅していた本シリーズだったが、今回きちんと終結させることが出来たということなのだろう

「年末年始は寅さん映画を観る」という風習が、昭和には確実に存在したのだ

そんな感慨にひたることができる作品である

お帰り寅さん

そして

本当にさようなら寅さん

2020年1月10日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(ファイナルオーダー?じゃあ、焼きおにぎり)

「スター・ウォーズ/スカイウィーカーの夜明け」(公開中)


長い付き合いなので放っておけないということがままある
(おっ「ターミネーター:ニュー・フェイト」の時と同じ出だしだ)
というわけで、スター・ウォーズシリーズの最新作というので観にいってきた

「死者が口を開いた・・・」

ネタバレにならないように、異例のあらすじ紹介無しである
1977年に第1作が公開されて、本作は9作目にして完結編とのこと
初めて映画館で観たのは第3作の「ジェダイの復讐」(当時の名称)だった
個人的には第4作の「ファントムメナス」までは楽しんだが、それ以降は惰性で観ていたと言わざるを得ない
特にディズニー製作に移行したあとの第7作と前作は
「ルーカスよ、本当にこれで良かったのか?」
と思わずにはいられない出来だった
そして、本作である
「生ぬるい」という映画評もあるようだが、個人的にはそこそこ楽しめた
面白いとか傑作だとかいうのではない
第1作から第3作(エピソード4から6のいわゆる「初期三部作」)の郷愁にかられるという感じだろうか
良くも悪くも42年間続いたシリーズの完結編なのだから
ぜひ映画館で観て欲しい
そして、「お疲れ様」と言いたい
(いったい誰によ?)

ともあれ、今年のブログもこれで終了
皆様、良いお年を!

2019年12月27日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(久しぶりにT2が観たくなる1本)

「ターミネーター:ニュー・フェイト」(公開中)


長い付き合いなので放っておけないということがままある
というわけで、「ターミネーター」シリーズの最新作というので観に行ってきた

自動車工場で働くダニーとミゲル
そこへ、未来からやってきた新型のターミネーターが現れ、ダニーの命を狙おうとするが、同じく未来からやってきた強化人間のグレースが彼女らを助けようとする
そして、絶体絶命のダニーの前に現れるサラ・コナー
新型ターミネーターとダニー、グレース、そしてサラ・コナーの3人の女性たちとの壮絶な戦いが始まる・・・

アーノルドシュワルツェネッガーを一躍大スターにしたこのシリーズ
第1作と第2作を監督したジェームズキャメロンが、
「ターミネーター2の正当な続編」と銘打って製作総指揮をつとめた本作
映画冒頭のサラ・コナーの息子ジョン・コナーの衝撃的なシーンに旧来のファンはまず驚かされる
しかし、その後の展開は「うーむ」という感じ
第1作と第2作を足して2で割ったというか、既視感というか、奇抜さや目新しさが感じられないのだ
(当然、個人の感想)
ジェームズキャメロンが言う「正当な続編」ではない前作の「ターミネーター:新起動/ジェネシス」の方が面白かったように思う
(くどいようだが、個人の感想)
それでも長い付き合いだから、さらに新しい作品が作られれば観に行くんだけどね
あとはシュワルツェネッガーがいつまでやれるかという問題かな
彼が出なくなったらこのシリーズは終わりだと思うから
彼、何歳だっけ?

2019年11月29日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(週末、「また遭う日まで」を歌いたくなる1本)

「任侠学園」(公開中)


今野敏の「隠蔽捜査シリーズ」にはまり、一気にシリーズ全作を読んだこの夏
というわけで、その今野敏が原作というこの映画

義理人情にあついヤクザの阿岐本組は、組長が大の社会奉仕好き
代貸し(ナンバー2)の日村は、組長から経営不振の高校の建て直しを任される
その学園は何の特徴もなく、校長もことなかれ主義
しかし「筋を通す」という任侠道を突っ走る日村とその子分たちの行動に
学園の雰囲気が徐々に変わり始める・・・

肩の凝らないコメディである
組長は西田敏行、ナンバー2の日村が西島秀俊
ほかにもクセのある役者が多数出演しており
なんとなく「昭和」を感じさせる懐かしい映画といえる
西遊記の猪八戒役が3人出演しているという小ネタも面白い
過度な期待をせずに観ればそこそこ楽しめる作品である

ちょっとだけおすすめ
(責任は負わないけど)

今野敏の「任侠シリーズ」も読んでみようかな?

2019年10月4日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(週末、冒険の旅に出たくなる1本)

「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」(1989年)


ブログにも書いたが、今年の夏休みにペトラ遺跡に行ってきた

というわけで、そのペトラ遺跡を一躍有名にしたこの映画

考古学者であり冒険家でもあるインディのもとに
イエス・キリストの聖杯に関する重要な遺物の調査をしていた調査隊の隊長が行方不明になったので探して欲しいという依頼がくる
しかもその隊長とはインディの父ヘンリーだという
父の捜索と聖杯探しというインディの新たな冒険が始まる・・・

映画「インディ・ジョーンズ」シリーズの第3作である
この作品で秀逸なのは、父ヘンリー役のショーンコネリーだ
かつては007ジェームズボンドだった彼も、渋い父親役を見事に演じている
この父と息子の物語を軸にストーリーが展開することによって
この映画は大成功を収めたと言っても良いだろう
我々の年代なら観ていない人の方が少数派だと思うが
今の若い人は観たことがないかもしれない
未だ観ていない若者たちよ、おすすめである

ただし、2008年公開の第4作はおすすめしないし
2021年に公開予定という第5作は、不安しか感じない
ハリソンフォードよ
「インディ・ジョーンズ」ファンをこれ以上悲しませないでくれ!
追伸
「スター・ウォーズ」についても同じことが言えるなぁ(あくまでも個人の感想)

2019年9月27日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(いよいよ開幕!)

「インビクタス 負けざる者たち」(2009年)


ラグビーワールドカップ2019が今夜開幕

というわけで、10年前の公開時にもブログに書いたこの映画をもう一度ご紹介

1994年、南アフリカに初の黒人大統領が誕生する
国民の多数派が黒人の南アフリカでは、長年の人種差別政策により、スポーツの国際試合では、白人中心のチーム構成である自国のチームではなく、相手国のチームを応援するという状態だった
その南アフリカで開催されることになったラグビーワールドカップ
マンデラ大統領は大きな目標を掲げる
そして・・・

お気に入りのシーンは、マンデラ大統領からお茶に招待された南アフリカナショナルチームの主将ピナールが、車で待っていた妻から「何の話だったの?」と問われてそれに答えるところ
マンデラ大統領があまりにも聖人君子に描かれ過ぎていたり
(マンデラ役のモーガンフリーマンが製作総指揮だから仕方ないか?)
映画のクライマックスが冗長気味といった気がしないでもないが、
クリントイーストウッド監督が放つ「ど真ん中・直球勝負」の会心作である

おすすめ!

今夜、日本テレビの金曜ロードSHOWで放送されるのでぜひどうぞ!
そうそう、肝心の試合の方もお忘れなく!

2019年9月20日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(週末、海辺のホテルに行きたくなる1本)

「世界の涯ての鼓動」(公開中)


某国の大統領が「グリーンランドを購入する」と言っているとか

というわけでこの映画、グリーンランドの深海と南ソマリア間の長距離恋愛(?)の物語

海辺のホテルで出会ったダニーとジェームズはたちまち恋に落ちる
やがて休暇を終えた二人は、お互いに離れがたいという強い感情を抱きつつ、ダニーは生命の起源を調査するため潜水艇で深海へ、ジェームズはテロを防ぐために南ソマリアへと向かう
しかし二人を待っていた運命は・・・

前半は、二人が出会い恋に落ちるまでを圧倒的な映像美でテンポ良く描いていて心地よい
ところが、後半は一転してサスペンス色が強くなり、ラストシーンに至っては
「ムムム・・・?」
と、なんともすっきりしない気持ちになるかもしれない
しかしそこがこの監督の描きたいところなのだろう
監督は「ベルリン・天使の唄」で有名な巨匠ヴィム・ヴェンダース
夏休みで子供向けの映画があふれるなか
数少ない大人の映画と言えよう

ところで、グリーンランド(デンマーク領)の売却を同国首相に拒否されて
「それならデンマーク訪問を取りやめる」
というのは大人の対応と言えるのかなぁ?

2019年8月23日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(この時期観ておきたい1本)

「アルキメデスの大戦」(公開中)


日本が戦争に敗れて74年

というわけで、巨大戦艦の建造をめぐる大日本帝国海軍省内の攻防を描いたこの作品

昭和8年、世界から孤立しつつある日本は、軍拡路線を歩んでいた
海軍省では、世界最大の戦艦を建造しようとする者らと航空母艦を建造すべきとする者らとが対立
これからの戦争は航空機が主流となると考える山本五十六らのグループは、戦艦建造に反対すべく、ひとりの天才数学者に望みを託す
そして・・・

派手な戦闘シーンや悲惨な戦禍を描く「いわゆる戦争映画」と思って「その手の映画は苦手だから」と敬遠しているとしたら、それは大間違いである
確かに、一部そういうシーンはある
しかし、本作がエンターテインメント映画、すなわち娯楽作品であることは実際に観れば分かるだろう
出演者のひとりである笑福亭鶴瓶ではないが
「観ないという選択肢はないやろ」
である

おすすめ!

お盆の時期は、どのような形であれ先の大戦のことに思いを馳せることが大事なのではないかなと単純に思う

2019年8月16日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(残暑お見舞い申し上げます)

「クレオパトラ」(1963年)


世間はお盆休みか
というわけで、長期休暇でもなければ観る気もおきない4時間超の大作である

紀元前48年、カエサルは政敵ポンペイウスを追ってエジプトのアレクサンドリアへ
そこでクレオパトラと出会う
エジプトとローマの利害が一致し、カエサルとクレオパトラも親密な関係になる
しかし、ローマに戻ったカエサルは志半ばで狂剣に倒れる
その後、カエサルの後継者であるオクタヴィアヌスとの対立が目立つようになった軍人アントニウスは、活路を見いだすためクレオパトラと接触
やがて二人は恋に落ち・・・

重機のない時代に作られたピラミッドや日本なら奈良の大仏などを見ると
単純に「すごい!」と思う
規模も年月の差もまったく違うが、
「CGのない時代によくもこれだけの映画を作ったなあ」
と感嘆すること必至の映画である
古代ローマ時代の町並み、ローマ軍の戦闘シーン、衣装など
「どれだけお金をかけたんだ?」
と心配になるほどである
実際、製作した20世紀フォックスは、この映画で破産しそうになり、
翌年公開の「サウンド・オブ・ミュージック」の大ヒットで息を吹き返したのだという

一見の価値ありの映画ではあるが
冷房を効かせた涼しい部屋で、冷たいビールでも飲みながら、ぼーっと見るのがいいかもね
寝落ちに注意が必要だけど

2019年8月9日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(「ウエスト・サイド物語」のサントラを聴きたくなる1本)

「バイス」(公開中)


自分が推した候補者が知事選に落選して、日本の副首相は権威の失墜が懸念されているらしい

というわけでこの映画、米国の副大統領の半生を描く社会派エンターテインメント

酒癖が悪い青年チェイニーは、妻にはっぱをかけられ、政治家への道を歩み出す
魑魅魍魎が跋扈する政界を生き抜き、ついにチェイニーはジョージWブッシュの副大統領の座に就く
そして2001年9月11日、アメリカを震撼させた同時多発テロ事件が発生する
絶大な権限を行使するチェイニー
果たしてアメリカはどこへ行くのか・・・

内容はシビアなのだが映画の作りは遊び心にあふれていて、個人的にはモンティパイソンな印象を受けた
悪徳政治家と評されることが多いチェイニー氏だが、彼を一方的に非難する作りになっているわけではなく、クリスチャンベイルが複雑な役どころを見事に演じている

まだ記憶に新しいイラン戦争の内幕が赤裸々に語られるが、チェイニー本人が存命なのにもかかわらずこういう映画を作ってしまうところが驚きである


前回紹介した「女王陛下のお気に入り」よりはとっつき易いが、やはり好みが分かれる作品かもしれない
その点はご注意を!

2019年4月19日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita