金曜シネマ倶楽部(マッドでクレイジーな1本)

「哀れなるものたち」(公開中)

今年のアカデミー賞授賞式の日が近づいてきた

というわけで、作品賞をはじめ11部門にノミネートされているこの作品

自殺を図ったが奇跡的に蘇生されたベラ
彼女は、未知の世界を知るための冒険に旅立つ・・・

R18指定されている理由は、すぐに分かるだろう
ベラ役のエマストーンは、本作の体当たり演技で主演女優賞にノミネートされている
ストーリーは万人受けするとは言い難く、映画館でなければ途中で見るのをやめてしまう人も少なくないのでないか
衝撃的な問題作なので、覚悟してみるべし
(そういう意味で、作品賞受賞は無いかな)

ところで、この国の哀れなるものたちは、裏金を秘書のせいにする政治家たちか?
それとも彼らを選んだ有権者たちか?
(いや、国民全員かも)

2024年2月2日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(夫の正体はイカデビル!)

「二十四の瞳」(1954年)


今年は「島めぐりの旅だ!」と思い立ち、先日、小豆島に行ってきた

というわけで、小豆島を舞台にしたこの作品

昭和3年、岬の分教場に新米の女の先生が赴任する
1年生の12人の児童が先生を見る瞳は、かがやいていた
海の色も山の姿も昨日に続く今日であった
しかし、そこに住む人々の生活は大きな歴史の流れに押し流されていった・・・

おそらく小学校高学年のときに初めて見たのだと思うが
どこでどういう経緯で見たのかまったく覚えていない
ただ、見たことだけを覚えている
そして、悲しい映画だったという記憶が残っていた
今回ひさしぶりに見直してみて、やはり悲しかった
戦後9年で作られた映画なので反戦色が強いが、「防衛費倍増」とか「敵基地攻撃能力」などと不穏な方向に向かいつつあるこの国の将来を考えるうえで、ぜひ見ておきたい映画である
特に若い人におすすめだ

ところで、小豆島は良いところだった
小豆島の島宿真里と海音真里、こちらもおすすめである
(写真は本作ロケ地の岬の分教場と「二十四の瞳映画村」にあるリメイク版の撮影セット)

2024年1月26日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(最後に墨を磨ったのはいつだろう?)

「線は、僕を描く」(2022年)


映画館で見逃してしまった作品を配信で観ることができる便利な世の中

というわけで、つい最近配信で観たこの映画

大学生の青山霜介はアルバイト先で1枚の水墨画に出会い、なぜか水墨画の巨匠である篠田湖山から「私の弟子になってみない?」と声をかけられる
そして、水墨画を学ぶうちに霜介が変わり始める・・・

水墨画の世界は知らないことばかりだったので、とても興味深かった
主役の若い二人も良いが
湖山役の三浦友和や弟子役の江口洋介が安定感抜群の演技で脇を固める
映画「ちはやふる」の製作チームが再結集した作品ということらしい
「ちはやふる」は未見なので「そちらも観てみようかな」と思わせる、そんな佳作であった

おすすめ!

ところで、落語のほうの「千早振る」は馬鹿馬鹿しい噺なのだが
瀧川鯉昇のそれは群を抜いてくだらないので、そちらもおすすめ

2023年11月24日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(テーマ曲が頭から離れない・・・)

「ゴジラ-1.0」(公開中)


「ゴジラ マイナス ワン」と読むらしい

というわけで、何がマイナスワンなのか、観に行ってきた

1945年の終戦間近、特攻隊機が降り立った島にゴジラが現れる
終戦後、今度は本土に上陸したゴジラが、復興し始めた街に壊滅的な被害を及ぼす
果たして人々はゴジラを倒すことができるのか・・・

「マイナスワン」は、戦争によって焦土と化して無(ゼロ)になった日本が、ゴジラの出現によって負(マイナス)へという意味らしい
(1954年の第1作「ゴジラ」よりも前のゴジラという意味もあるのかもしれない)
本作のゴジラは、とにかく破壊力がすごい!
そして、怖い!
「ゴジラのテーマ」も大迫力である!
それだけで観る価値ありだが、ストーリーも悪くない
是非とも映画館の大スクリーンで観るべき作品である

おすすめ!

ところで松井秀喜氏が「ゴジラ」ってどう?
佐々木主浩氏の「大魔神」はいいとして
高橋由伸氏が「ウルフ」ってどうよ?
(マニアック過ぎるのでマイナスワンポイント)

2023年11月10日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(無性におせんべいが食べたくなる1本)

「こんにちは、母さん」(公開中)


山田洋次監督の90作目だという

というわけで、久しぶりに山田組の最新作を映画館で観ることにした

仕事と私生活に悩みを抱える昭夫は、久しぶりに東京下町の実家を訪れる
疲れ切っている自分とは異なり、生き生きと生活をしている母
そんな母が恋愛をしていると知って、さらに戸惑う昭夫・・・

笑いあり、涙あり、これぞ松竹映画というような作品である
親子を演じる吉永小百合と大泉洋が絶妙である
宮藤官九郎、寺尾聰、枝元萌、YOUといった脇役陣も良い
ストーリーに新鮮味はないが、心地よい時間を過ごすことができる映画だ
ただし、50代以降の人にとってはというところか

その年代の人にはおすすめ!

久しぶりに実家に顔を出してみようかな

2023年9月8日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(ぜひ映画館で!)

「ミッション:インポッシブル/デッドレコニングPART ONE」(公開中)

暑い・・・
というわけで、難しいことを考えたくないときに観るべきこの作品


イーサンに新たなミッションが下される
それは全人類を脅かす新兵器を敵が手中にするまでに見つけ出すこと
そしてIMFの超人的な活躍が始まる・・・

本作はシリーズ第7作目で2部構成の前編だそうだ
今回もアクション満載だが、目新しさはあまり無い
しかし、迫力は満点なので、ぜひ映画館の大きなスクリーンで観るべきである
何も考えずにね
上映時間が長いと感じるかもしれないが、映画館の中は涼しいから暑さしのぎだと思えば苦にならない(かもしれない)
とにかく何も考えずに楽しむ映画である
トムクルーズの映画はそういうものなのだから
トム、ごめん

ところで、現実社会の方がミッションインポッシブルだらけな気がする
マイナカードの保険証一体化とか、大阪万博とか、政府の少子化対策とか・・・

2023年7月28日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(第1作を見返したくなる1本)

「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」(公開中)


実は大学時代に考古学研究会という学術サークルに所属していた
(発掘も多少したことはあるが、サークル仲間と麻雀ばかりしていた)
というわけで、考古学者で冒険家のインディ・ジョーンズの最後の活躍を描くこの作品

老境にさしかかり家族も失って孤独なジョーンズ博士
ある日、親友の娘で自分が名付け親のヘレナが彼の前に現れる
彼女は神秘の力を持つというダイヤル「アンティキティラ」を探しているという
そして、同じくナチスの残党もそれを探していた・・・

シリーズ5作目であり最終作である(らしい)
前作にも感じた延々と続く退屈なカーチェイスや格闘シーン、強引なストーリー展開、長すぎる上映時間などケチをつけたくなるところ満載だが、ラストシーンで不覚にもうるっときてしまった
何はともあれ、インディ・ジョーンズシリーズの最後を映画館で見届けたという達成感を強く感じることができるラストシーンであり、それだけで見た甲斐があった(と思うことにする)

だからお願い、次回作とか作らないでね、ルーカス&スピルバーグ
そしてハリソンフォード、お疲れ様でした

2023年7月6日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(シリーズ最終作か?)

「ダウントン・アビー/新たなる時代へ」(2022年)


昨年11月の自宅療養中に一気見した海外ドラマ「ダウントン・アビー」(6シリーズ全52話)
本作は、その映画版の2作目である

先代伯爵夫人のヴァイオレットが南仏の別荘を遺産として受け継ぐことになった
遺産を残したモンミライユ侯爵とヴァイオレットとの関係に疑心暗鬼となるロバート
一方、屋敷の修理費のために映画のロケ地として貸し出したダウントンアビーでは、使用人も含めてひと騒動
そして、シリーズの主要登場人物の一人が静かに息を引きとる・・・

テレビドラマ、そして映画第1作を見ているファンにとって
この映画はもはや自分の親戚の話のような錯覚を覚えるのではないか
それほどそれぞれの登場人物に思い入れがあり
それゆえ、ラストは身内を亡くしたように悲しい
ただし、それが副題の「新たなる時代へ」ということなのだろう
シリーズのファンは必見である

ところで、本日公開のインディージョーンズ最新作は
シリーズのファン必見と言える作品になっているのだろうか
先週に引き続き、嫌な予感がする
一応、映画館に観に行くつもりではいるけれど・・・

2023年6月30日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(今晩、金曜ロードショーで放映)

「インディー・ジョーンズ/最後の聖戦」(1989年)


シリーズ最新作!!が来週公開になるらしい

というわけで、シリーズ第3作目のこの作品

キリストの聖杯の捜索を依頼されたインディ
同じく聖杯を探していたナチスは、聖杯探しの鍵を握るインディの父を誘拐する
果たしてインディは父を助け出し、聖杯を見つけることができるのか・・・

スティーブンスピルバーグが「007シリーズのような映画を撮りたい」とジョージルーカスに言って実現したのが第1作の「レイダース/失われたアーク(聖櫃)」
本作は、その初代007/ジェームズボンドのショーンコネリーがインディの父役で出演するということや、若きインディをリヴァーフェニックスが演じるなど、当時の超話題作であった
内容もシリーズの集大成にふさわしく、インディの生い立ちが描かれ、迫力あるアクションが連続する大冒険活劇で、見応え十分の傑作と言える

未見の人には、ぜひおすすめだ!

ところが、終わったと思ったシリーズは19年後に第4作が公開される
そして来週、最新作が公開になるという
I have a bad feeling about this (嫌な予感がする)
ごめん、ルーカス、スピルバーグ

(写真は、4年前に「最後の聖戦」に参加したときのもの)

2023年6月23日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita

金曜シネマ倶楽部(客の入りは良くないが・・・)

「仕掛人・藤枝梅安 弐」(公開中)


先月のブログでは「観に行くかどうか迷っている」と書いたが
やっぱり気になったので観に行ってきた
というわけで、トヨエツ梅安の2作目である

旅の途中で見かけた侍に目の色が変わる彦次郎
その侍はかつて彦次郎の妻を暴行した男だという
敵討ちに逸る彦次郎
しかし、梅安にはその侍が非道な仕打ちをする人間には見えなかった
そして、侍の後をつける二人は、意外な場所へとたどり着く・・・

第一作のときは「梅安を演じる豊川悦司が、歳を取り過ぎている」と感じたが
今回は(慣れたのかもしれないが)あまり気にならなかった
それくらい作品として良く出来ているということかもしれない
菅野美穂が演じるおもんが良い
彼女のおかげで突飛な感じになりそうな佐藤浩市の芝居も引き立ったのではないだろうか
まあそれは、観てのお楽しみということで
さらなる続編が観たくなったよ
小杉十五郎編をね

おすすめ!

ところでエンドロールのあとにちょっとした仕掛けがあるので
最後まで席を立たないようにご注意を

2023年4月14日 | カテゴリー : 映画 | 投稿者 : morita